立憲民主主義の確立にむけて

            

48回衆議院議員選挙にあたって

 目次

 1状況の概要

 2改革の経緯

3保守とは

    4日本型ファシズム

    5ポピュリズム

   6統治構造と格差

7構造変動

 8再生戦略         

7構造変動社会構造と文化構造の変動

○縮小社会の危機

 ・2008年に日本の総人口はピ−ク・アウトし、2016年に発表された2015年の国勢調査によると、我が国の総人口は約127百万人となり、5年前と比べて約100万人減少した。団塊ジュニア世代の出生率が回復しなかったため、仮に今後、合計特殊出生率が2.1に改善しても、人口減少・超高齢化が進展し、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計では、2053年には日本の人口は1億人を切ることになる。

・このような縮小社会は、1997年から始まった生産年齢人口の減少、社会保障財政の悪化、公共施設の維持・補修の困難等日本社会に様々な負の歪をもたらしていく。

 ・2014年に日本創生会議は全国市区町村別に「20~39歳の女性の将来推計人口」と「人口の社会移動人口」をもとに、「消滅可能都市」を公表し、若年人口の東京一極集中と地方圏の人口急減傾向を可視化し、多くの自治体の消滅可能性に警鐘を鳴らした。

 ・つまり、2013年の国立社会保障・人口問題研究所の推計を基に、2010~2015年までの間の人口移動の状況がその水準で続くと仮定すると、2010~2040年の間に「25~39歳の女性人口」が5割ほど減少する市区町村は896自治体となり、全自治体の約半数に及ぶことになる。

1990年に合計特殊出生率が急激に低下し、政府は1999年に「男女協働参画社会」という政策目標を掲げたが、当時のバブル経済の狂乱にかき消された。バブル経済の崩壊後は、2003年に「少子化社会対策基本法」を制定し、少子化担当大臣を置いたが、目先の景気回復対策としてマクロ経済成長政策が優先されて、人口減少問題は抜本的な対策がとられずに先送りされた。このことが、今日の人口減少・超高齢化の根本原因であると言える。

○高度大衆消費社会の矛盾

 ・アメリカは20世紀半ば第二次世界大戦に勝利し「高度大衆消費社会」(豊かな社会)が到来した。1958年にジョン・ケネス・ガルブレイスは「豊かな社会」を著し、「生産者側の宣伝によって消費者の本来意識されない欲望が掻き立てられる。」とする依存効果を説いた。すなわち、「現代人は自分が何をしたいのかを自分で意識することが出来なくなってしまっている。欲望は生産に依存し、生産は生産によって満たされるべき欲望をつくりだす」と述べた。

・一方、「アメリカ経済が成功に向かうためには、大規模な公共事業や教育と言った分野への投資が必要となるであろう」と言った。また、物質的生産の持続的増大が経済的社会的健全性の証であるという考えに対して、疑問を投げかけ、ジョンソン政権の貧困との戦いに大きく貢献した。

 ・「高度消費社会」(豊かな社会)においては、供給が需要に先行している。それどころか供給側が需要を操作している。広く文化という領域が大衆に向かって開かれるとともに、大衆に向けての商品をブランドイメージにより操作的・画一的に作り出して、大量に消費させ利益を上げるという手法が確立された。

○高度情報社会の矛盾

 ・今日、ネット社会となり、知識集約産業であるグローバルITC産業が経済を牽引し、ボーダレスに情報、金が高速に行き交い、AIが現代社会に大きな影響力を及ぼすようになった。

・一方、情報の真偽が個人的には確認が困難な情報洪水に襲われ、合理的判断力を持った自律的市民となるには高度なITリテラシーが求められる。

 ・かつて、大宅壮一はテレビの普及によって国民白痴化を危惧し、中小規模の大学の族生を駅弁大学と評した。現在、社会批評家の東浩紀は「動物化するポストモダン」を著し、マニュアル化され、メディア化され、流通管理が行き届いた日本の大衆消費社会を批判した。

 ・従来なら社会的コミュニケーションなしには得られなかった対象、毎日の食事や性的パートナーまでも極めて簡便に面倒な社会的コミュニケーションに煩わされることなく手に入れることが出来る。「動物」になるとは、そのような間主観的な構造が消え、各人がそれぞれ欠乏―満足の回路を閉じてしまう状態の到来を意味する。

○ネット社会の光と影(情報選択の多様性と情報管理)

・インターネットはウェブ2.0の段階に入りICT革命が急速に進み、ITAIによる第4次産業革命が進行し、生産性や生活の利便性が向上している。また、多様な個人や組織が社会的障害を乗り越えてグローバルに情報発信でき、情報ネットワークが多元化され、異質な情報・知識の融合によって新たな価値が創造され、イノベーション活動が活発になっている一方で、情報爆発と情報隔離・蛸壺化が同時進行している。

 ・メンバーの価値観やライフスタイルが類似するフェイスブック、ツイッターやラインなどSNSが普及し、ネット社会の画一化と人々のセグメンテーションが進んでいる。また、グーグル、アマゾンやヤフー等のインターネット・プロバイダーは情報流通のゲイト管理者となり、企業目的によって大規模データーベース構築し情報管理支配権力を拡大している。最近ではフェイスブックが政治的に情報を編集していたことが問題化した。

・さらに、マイナンバー制度が公共基準に基づいて正しく運用されずに国家機構、多国籍企業やマスメディアに悪用されると、情報コントロールによる国民や消費者の支配を招来する恐れがある。

・これまで、社会問題の提起、政治的争点の集約・整理により良識ある世論形成の主役であったマスメディアはネット企業に情報提供速度と広告収益面で経営基盤を侵食され、駅前複合再開発事業に参加することで不動産事業の収益に依存するようになった。放送内容も事件・事故、伝統芸能・祭り、選挙、観光イベント、グルメ・リゾート、芸能スキャンダルが多くなり、公共的機能の劣化・低下が進んでいる。

・個人生活面では、スマホ情報に依存する人々が多くなり、ゲーム脳や引きこもり行動が社会問題となり、3C(カー、コンビニ、セルラーフォン)に依存する生活パターンが一般化している。

・マスメディアは視聴率競争に勝つために、3K価値(きれい、かわいい、かっこいい)を重視するカルチャー(軽チャー)を普及する媒体となり、大衆の日常生活の不満を発散させるエンタメ情報がより多く発信されるようになり、いわば、支配階級の愚民政策に加担し、多数のボキャ貧でチャライ情動的人間からなる衆愚社会を生み出していると言える。

・その結果、行動主体としての自己アイデンティティが空洞化し、地域社会との関係性が希薄化して、地域コミュニティの空洞化を招いている。

○日本型信頼社会の風化

 ・1995年にオーム真理教事件や神戸酒鬼薔薇彩斗事件が発生し、家族と地域社会における絆、信頼関係、コミュニケーションの欠如が顕在化し、これまで言われてきた日本型信頼社会の風化が明らかになった。

 ・その後、若い世代における引きこもり、ニート、いじめ、家庭内暴力等がクローズアップされ、社会的病理現象が大きな問題となってきた。

 ・さらに、人口減少・超高齢化が進むにしたがって、空き家・空き地の放置、高齢者の孤独死が問題となり、地域社会を再生するために総合的な政策を立案・実施していくことが迫られている。

 

 

 

このページはクリエイト関西21が作成しました。20171015